先日、髪の毛が伸びて鬱陶しくなってきたので、近所の床屋に行ってきました。
この街に20年近く住んできて、初めて行く近所の床屋。
ドアを開けると、椅子に座って暇そうにラジオを聞いていた初老の夫婦二人が「なんで?」という顔で私を見ました。
店の中に入り、ドアを閉めても依然二人は、「なにか?」という顔をしています。
「散髪をお願いします」
の一言で、やっと二人は椅子から立ち上がりました。
鏡の前の椅子に座らされ、首の周りをシッカロールでパタパタしてもらい、タオルを巻いて前掛けをしてもらいます。
「で、どうします?」
とご主人。
「こんな風にして下さい」
と私はジェームズ・コバーンの写真を見せました。
とても清潔感のある、こぎれいな床屋さんでした。
長年連れ添った夫婦ならではの連係プレイは動きに全く無駄がなく、私は思わず鏡越しに見とれてしまいました。
無駄な会話も一切なし。
ご主人が発した言葉は、
「もみあげ、どうする?」
の一言だけ。
顔剃りは奥さんの担当。
散髪後はヘアトニックをふんだんに使った頭皮マッサージ付き。
¥3000。
私は大満足で店を出ました。
ちなみに上に掲載したジェームズ・コバーンの写真はサム・ペキンパー監督『戦争のはらわた』からの一コマです。大好きな映画です。まだご覧になってない方は是非!
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