先日は『アイム・オール・ライト』撮影でした。
主演の高川裕也さんと牧田侑士さんのシーン。
まず撮影前日に1日かけてリハーサルをしました。
私、リハーサルの間、基本カメラは回しません。
リハーサルを見てなんとなくカメラ位置を考えるだけです。
エンディングに近いこのシーン、最初はカットを割るつもりだったのですが、リハーサルを見た段階で「ここはワンカットだな」と思いました。
リハーサル終了後は吉祥寺に戻り皆で軽く飲みました。
なにせ久しぶりの再会ですからね。
軽く吉祥寺のお好み焼きやで飲んで、軽くカラオケに行きました。
カラオケ屋でも軽く飲んで、軽くみんなでクイーンズに向かいました。
雨がシトシト降っていてとても寒い夜でした。
カラオケ屋を出て、傘もささずに歩く私と高川さんの後ろを
身長180cm以上の牧田さんが、どこに隠していたのか身の丈に不釣り合いな小さな折り畳み傘をさしてトボトボ付いてきます。その足取りの遅いこと!重いこと!
私と高川さんはそんな牧田さんを、
「牧田さん!頑張って!あと少しだから!」
と励ますのでした。
クイーンズに着いて皆で雑魚寝。
翌日は13時撮影スタート。
前夜とは打って変わっての秋日和!
各ショット2テイクほどでテンポよく進んでいきます。
勢いそのまま昼飯はすっ飛ばしてこの日1番のワンカット撮影に臨みます。
しかしここでトラブル発生。
自動車の走行シーンに使うトライポッドの雲台ネジがバカになりました。
私の右腕宗田君に修理を頼み、私は手持ち、もしくは1脚でのカメラセッティングを試みましたがどうにもダメでした。
ほどなくして宗田くんからの「だめだこりゃ」の報告。
雲台ネジが右にも左にも回らない。
しょうがなく予備の特機を使うことにしました。
メインの特機に比べ安定度に難がありましたが、そこは私が手で押さえることで解決しました。
太陽がどんどん沈んでいく中、撮影再開。
私は助手席の下の方に小さくなってカメラに映らないよう手を伸ばしてカメラを押さえます。
宗田くんも後部座席でカメラに映らないよう、これまた小さくなってセリフのガイド録音。
画面は見れませんが撮影が上手くっている様子は高川さんと牧田さんのやり取りから感じます。
「はい、カット!」
車を止めてプレビューチェックをします。
芝居が前日のリハーサルの時より3割り増しぐらい良くなってました。
こういう瞬間が監督冥利に尽きる瞬間ですね。
私の目がキラキラしてきます。
重たい一重まぶたなので誰も気がついてないと思いますが。
「一発オーケー!」
皆私を見て「そりゃそうだ」というように頷きます。
欲が出てきます。
「・・・でも、もう一回行こうか?」
皆、「お前がそう言うなら」というように頷きます。
考えてもみたらこのシーンは『アイム・オール・ライト』撮影における、高川さんと牧田さん、最後の共演シーンでした。
もう少し二人が一緒にいるシーンを見ていたいと思うのが心情でしょう。
2回目もバッチリでした。
さらに欲を出した3テイク目もバッチリでした。
どのテイクを使うかは編集の時に死ぬほど悩むことでしょう。
嬉しい悩みです。
撮影終了後はたまたま近くにあったドミノピザでピザを2枚注文。
店員の女の子がとても可愛くて嬉しかったです。
ムッツリな性格なので皆には黙ってましたが。
自販機でコーラを買って遅めの昼食。
公園で皆で食べました。
牧田さんがあまりのピザの美味しさに悶絶寸前になってます。
宗田くん、ピザに石でも入っていたんですかね?
前日リハーサルを手伝ってくれた(カラオケで尾崎を歌ってくれた)実弟アキラ、
いい撮影が出来た時に私と同じように喜んでくれる宗田君、
撮影協力ありがとうございました!
映画『アイム・オール・ライト』、主演の高川さん・牧田さんの撮影も残りあと僅か。
嬉しいような寂しいような・・・。
この二人の共演がこれでラストなのはやっぱり寂しいですが、
これから続く撮影に関して、やることは山のようにあるので一々感慨に浸っている場合ではありません。ハイ。
今しばらくは自分で自分のケツを蹴り上げながら進んでいく所存です。