THE BLACK SCREEN BRIGADE

『アイム・オール・ライト』１７

（撮影の合間の牧田さんと杵鞭さん）

 

一昨日は『アイム・オール・ライト』撮影でした。

同じメンツ（私、牧田さん、杵鞭さん、そして宗田君）での撮影も３日目となり、お互いより親密度が増し、現場にも親和力のようなものが漂い始めます。

 

そうなるとカメラ位置も、俳優のリハーサルを見て自然、

｢ここしかない」という場所に納まり始めます。

レンズもほぼ１本に決まっていきます。

ライティングもより単純に、ライトの数も減っていきます。

 

 

ところで、私の右腕、宗田進史君は私の助監督であり、撮影助手であり、照明助手でもあります。

カメラから離れられない私の手となり、足となってくれる存在です。

彼がいなければ私は手も足も出ません。

 

｢宗田君・・・｣

｢？」

｢小道具の歯ブラシ用意するの忘れちゃった。悪いけど買ってきてくれる？｣

｢歯ブラシ｣

 

｢宗田君・・・｣

｢？」

｢レンズ、ここは50だね」

｢50ミリ」

 

｢宗田君・・・｣

｢？」

｢ライトの足、バレてるな」

｢ライトの足。・・・これで大丈夫ですか？｣

 

フォーカスフォロー（俳優の動きに合わせてピントを合わせる作業）も実に華麗にこなしてくれます。

 

 

一昨日の現場ではワンシーンの撮影があり、そこで若干時間を食いました。

２１時終了→めしの準備→めし。という流れだったのですが、どうやっても21時には終わりそうにありません。

セット替えの最中、私はふと大事なことを思い出しました。

 

｢宗田君・・・｣

｢？」

｢・・・ご飯、炊いてくれる？」

｢・・・ん？」

｢ご飯・・・」

｢・・・ゴハン」

｢・・・米研いで、ご飯、炊いてくれる？」

｢あー、ご飯ですね（笑）」

 

宗田君は５合の米を研いで炊飯のスイッチを押し、すぐにカメラの横に戻ってきてくれました。

そのおかげでなんとか２１時４０分に無事撮影終了。

カミさんが仕事帰りに買ってきた三鷹『ブルーバード』のチキンカレーとグリーンカレーを皆で美味しく食べることができました。

 

宗田君いつもありがとう！そしてこれからもヨロシク！

『アイム・オール・ライト』１６ ２日目

昨日は私の自宅での撮影２日目。

 

 

実にスムーズに、サクサク撮影が進みました。

 

 

牧田さんと杵鞭さんの息もピッタリ。

カメラの後ろでニヤニヤする時間が増えてきます。

 

昨日は小久保寿人さん、秋山エリサさんが『アイム・オール・ライト』初参戦でした。

 

小久保寿人さんとは今月ポートフォリオ用の撮影で知り合いました。

秋山エリサさんとは先月、杵鞭さんの家に遊びに行った時に初めてお会いしました。

このお二人、この日が初顔合わせです。

私と会うのも、この日が２度目です。

 

大事な夜を雰囲気たっぷりに過ごそうとしていた北川・今日子カップルを邪魔するかのように訪ねて来る友達夫婦の役です。

 

クソ狭い私の自宅に来てもらって５分も立たないうちに撮影開始。

 

 

｢お誕生日おめでとう！」

 

 

｢だから言ったろ？今日じゃないって」

 

実はこの撮影の前、玄関前でのリハーサルはご近所のアレもあるので、まずは室内でリハーサルをしました。

 

｢お誕生日おめでとう！」

 

の台詞の後、小久保さんとエリサさんは突然アドリブで｢ハッピーバースデーツーユー」の歌をノリノリで歌い始めました。

・・・それ、脚本には書かれていません・・・。

出会って５分の２人の息の合ったアドリブに、受けの牧田さん、杵鞭さん、私の三人とも口があんぐり。

 

 

そのまま使わせて頂きました♡

 

小久保さん・エリサさんの撮影はこのワンシーンで終了。

とても名残惜しいです・・・。

ワンシーンのみの出番に関わらず出演を快諾してくれた小久保さん・エリサさん、本当にありがとうございました！

 

撮影終了後は中野にある「三笠食堂」さんにお願いしたケータリングを皆で食べました。

主演のお二人と小久保さん、エリサさん、小久保さんのマネージャーの智子さん、ウチのカミさんに、ワタクシのライトハンド宗田君、そしてお住まいがご近所だったということで急な呼び出しにインド料理ご持参で駆けつけてくれた杵鞭さんのボイストレーナー、信太美奈さんの計９人で、やんややんやの打ち上げ。

 

 

なんかもうクランクアップみたいだな（笑）

でも、まだまだ先は長いぞ！（自戒）

『アイム・オール・ライト』１６ １日目

 

昨日、一昨日と『アイム・オール・ライト』撮影でした。

 

 

両日とも１５時から２１時までじっくり、みっちり撮影しました。

 

ワタクシ、撮影に入るとまったく周りが見えなくなります。

腹も減りません。喉も渇きません。休憩はシーンを撮り終わった後の一服のみ。

ほっとけば延々と撮り続けそうです。

そのために生きてますからねえ〜。

でも、俳優さん達はそうもいかないですよね。

リハーサル何回もやりますから。そりゃ腹も減ります。

１日目、とあるカットを撮り終え、セット替えをしているさなか、

 

杵鞭さん「ねえ、夕食は何時くらいかな？」

ワタクシ「夕食？う〜ん（時計を見て）８時かな」

杵鞭さん「アタシおにぎり持ってきたんだけど、食べてもいい？」

ワタクシ「どうぞどうぞ」

 

セット替えの合間に杵鞭さんは持参のおにぎりをパクパク食べていました。

セットが出来上がり、また撮影に入ります。

撮影が続き、８時を余裕で超えます。

 

｢そろそろ約束の夕食の時間だな。でもまだもう少し続けたいな」

 

と思い始めた頃、

 

杵鞭さん「アタシさっきおにぎり食べたからもう１時間行ける！」

 

もうあれですよ。思わず抱きしめたくなりましたよ。

 

目頭を押さえつつ撮影を続け、２１時に１日目の撮影終了！

すぐに台所に向い、お料理開始！

ワタクシお手製のカルボナーラをみんなで食べました。

『アイム・オール・ライト』１５

昨日は大久保２丁目の交差点で差別主義者・排外主義者達に罵声を浴びせ、それでも16時からリハーサルの予定だったので、急ぎ足で自宅に戻り、『アイム・オール・ライト』リハーサルでした。

 

今日子役の杵鞭麻衣さんと北川役の牧田裕次さん。

 

16時から20時過ぎまで計６シーンを動きを付けてみっちりリハーサルしました。

この６シーンは私の自宅で撮影する予定です。

 

｢え？！監督の自宅で撮影？どんだけ低予算wwww」

 

なんて笑っちゃダメよ。

ジョン・カサヴェテス監督の『フェイシズ』だって監督の自宅で撮影したんだから！

しかも映画の資金の為にその自宅を抵当に入れたって言うんだから！

 

まあ、こっちの自宅はたぶん、あっちの自宅の10分の１ぐらいの広さでしょうけどね・・・。

こっちも自宅を抵当に入れたいものですが借家なのでそれも無理なんですけどね・・・。

 

まあ、なにはともあれ、とてもいいリハーサルが出来たので、来週の本番が楽しみです。

撮影は２８、２９日！

『アイム・オール・ライト』１４

昨日は『アイム・オール・ライト』撮影でした。

 

（酒向芳さんと高川裕也さん）

 

いやー、バッタバタでした。

どんなにいい演技が撮れても、それを喜んでいる暇もないぐらいバッタバタでした。

転んだり頭をぶつけたり車に轢かれたりしなかったのが不思議なくらいです。

あれだけ現場がバッタバタだったのに、俳優さん達が皆各自最後まで集中力を保っていてくれたのが、ホント救いでした。

 

 

撮影場所を提供してくれた『ブルーバード』のオーナー田浦さん、ご協力ありがとうございました！

『ブルーバード』は三鷹にあるカレー屋さんです。

グリーンカレー、チキンカレー、ビーフカレー、どれも皆美味しいのですが、私のお勧めは断然「ミラノ風カツカレー｣です。

皆様是非お試し下さい。

 

昨日の撮影は小柳こずえさんと杉浦大介さんが初参加でした。

 

 

（小柳こずえさん）

 

 

（杉浦大介さん）

 

撮影終わって家に着いたのが午前１時。

風呂にも入らず、小さなモニターで２人が演じでくれた「トオル｣と｢ミキ｣と言う生まれたばかりの登場人物をずっと見てました。

気がついたら３時になってました。

沸かした風呂が水になってました。

 

撮影終わって今日は休日。

朝からなーんもしないで煙草とコーヒー。

飯も食わずに煙草とコーヒー。

 

｢ミラノ風カツカレーの何が”ミラノ”なのか？いつも田浦さんに聞こうと思って、結局忘れちゃうんだよな｣

 

なんて事を考えているうちに日も暮れた。

機材を片付けて飯でも作るか。

『アイム・オール・ライト』１３

一昨日は『アイム・オール・ライト』本読みでした。

本読みをやりすぎて、くたびれ果てて眠ってしまった高川さんと青崎さん。

というのはウソで「カラオケパブで酒を飲み過ぎて眠ってしまった２人」というシーンのリハーサルです。

 

青崎さんは現在福岡在住です。

今回はお仕事で東京に出て来たタイミングでの久し振りの本読みでした。

 

本読みの後は３人で吉祥寺の『一軒目酒場』へ。

ちょっとしたアクシデントがあって、私は飲みの席を途中で中座しましたが、お二人はその後『一軒目』から『カラオケ屋』へと河岸を変えたそうです。

と書くといかにもな感じですが・・・。

 

実は高川さんと青崎さんはプライベートでも仲が良い、といった間柄ではありません。

本読み以外の会話はお二人とも常に敬語です。

そしてお互い常にどこか遠慮がちです。

端から見るととても面映い関係です。

その関係は、お酒が入っても変わりません。

どんなにお酒が入っても２人はいたってジェントルメンです。

 

そんな２人がカラオケボックスに？しかも朝まで？？？

確か青崎さんはその日の飛行機で福岡に帰る予定だったはずですが・・・。

 

その日の朝、『カラオケ屋』を出た二人は、いったいどんな風にして別れたのでしょう？

どんな顔をして一人は成田へ、一人は横浜へと向う電車に乗ったのでしょう？

どんな顔をして、それぞれ電車の窓から流れていく朝方の景色を眺めていたのでしょう？

 

台本にはそんなシーンはないけれど、

それを想像すると夜も眠れません。

 

以下高川さんからライブで随時メールに送られてきた、カラオケセットリストです。

 

１　ジュレー（・・・ジュリーの事ですかね？）歌：青崎寿幸

２　斎場のブルースカイブルー（・・・西城秀樹の「ブルースカイ　　ブルー」って事ですかね？）歌：青崎寿幸

３　飛んでイスタンブール（庄野真代・・・知らない・・・。）　　　歌：青崎寿幸

４　さらば恋人（マチャアキですかね？）歌：青崎寿幸

５　喝采　ver.ちあきなおみ 歌：青崎寿幸（途中でキーがあわない　　事に気がつき、徳永バージョンに変更）

６　喝采　ver.徳永英明 歌：青崎寿幸 

７　時の過ぎ行くままに　歌：青崎寿幸＆高川裕也（デュエット）

８　なごり雪　歌：青崎寿幸

 

ほぼ青崎さんしか歌ってないじゃん！

台本の役柄そのままだ（笑）

 

撮影は三月後半の予定です！

『アイム・オール・ライト』１２

 

甲田益也子さんと高川裕也さん。

 

今日は『アイム・オール・ライト』本読みでした。

写真は本読み後の歓談の場。

数日前が甲田さんの誕生日だったので、私、ケーキを用意しました。

写真では甲田さんがなぜかとても悲しそうな表情をしていますが、これはたまたまです。

実際は「おいしい。おいしい｣と言ってケーキを食べてましたよ。

私は甘いものダメなのでパスしましたが、甲田さんと高川さんはクルミのチョコレートケーキとリンゴのタルトを２人仲良く半分こして食べてました。

 

２人が演ずる役柄は故あって今は別々に生きる元夫婦です。

 

 

個人的にはお二方とも割と長い付き合いですが、高川さん・甲田さんの顔合わせは今日が初めてでした。

なんだかんだと一番緊張していたのは私だった気がします。

 

本読みをして貰って後、

 

「きっとこの二人は高校生からの付き合いだったんだろうなあ｣

 

などと自分で脚本を書いていながら気づかなった点に今更ながら気づいたりしました。

『アイム・オール・ライト』１１

脚本を熱心に読む高川さん（写真左）と小柳こずえさん（写真右）

 

昨日は『アイム・オール・ライト』本読みでした。

女優の小柳さんとお会いするのはこの日が２度目です。

 

本読みの前に、２人からいくつか台詞に関する質問・提案がありました。

いずれも言われて初めて気がつく点ばかり。

監督にもよると思いますが、私はこういうやり取りが大好きです。

 

｢あ、そうだね！その台詞はなくした方がグッとくるな！」

とか

｢・・・たしかにそう言われると、ここ、変だな。・・・繋がってない・・・。」

などと色々気づかされる点が多いです。

 

そのどれもが俳優さん達が脚本を読み込んでいるから出てくる提案・質問です。

言うまでもない事ですが、映画にとっては”台詞”もアクションの１つです。

俳優とのこういったやり取りをする時間の為に「本読み」は私にとって必要なのです。

 

で、クリアになったり、保留のままの点を含めて、改めて２人に本読みをしてもらいました。

この日の本読みはこの映画の中では、かなりの「色っぽい」シーンでした。

今回初めて御一緒する小柳さんは、お会いした瞬間から「上原ミキ役にピッタリだ！」と思っていましたが、本読みをして貰って、やっぱりピッタリのキャスティングだと確信しました。

 

 

で、本読み終了後、お約束のヤラセ写真をパチリ。

帰り支度をしていたお二人にわざわざ台本をテーブルの上に出してもらいました（笑）。

小柳さんの隣の高川さんの顔が「ご満悦」に見えるのは、これはまあ、たまたまです。

実際は１番上の写真のように、終止真剣そのものでした。

 

１番上の写真もヤラセ写真なんですけどね・・・。

 

次の撮影は今月２３日！やっぱり今から楽しみです！

『アイム・オール・ライト』１０

昨日は所沢の『やきとり春風』さんで今年最初の『アイム・オール・ライト』撮影でした。

15時に集合して21時まで、ミッチリ撮影しました。

上写真画面右の男性は俳優の井手泉さんです。たまたまお店にいた常連客じゃありませんよ（笑）

 

 

店の外での井手さんと杵鞭さん。

 

井手さんとは以前『sex war comedy』という舞台で御一緒した間柄です。

あれからほぼ４年振りの再会。

１シーンのみの登場にも関わらず出演を快諾して頂きました。

１シーンのみの登場ですが、この役は是非井手さんに演じて貰いたいと思っていました。

期待通りのパフォーマンスでした！

 

 

撮影はこれといったトラブルもなく、順調に進みました。

それもこれも『やきとり春風』のオーナー半田さんのお心遣いのおかげです。

半田さん、ご協力本当にありがとうございました！

途中「たまたま通りかかったら撮影してるみたいだったから｣（本人談）と酒向さんも応援に来てくれました。

 

作日のラストカット。牧田裕次さん。

注）「なに？テレビの撮影してんの？俺も出してよ！」と様子を見に来た常連客ではありません。

 

撮影終了後はもちろん皆で半田さんの用意してくれた数々の美味しい料理を頂きました。

新メニューの焼きおにぎりは日本酒を飲んだ後の締めにはサイコーの逸品です。

皆さん是非お試し下さい。

 

『アイム・オール・ライト』まだまだ続きます。

『アイム・オール・ライト』９ 焼き鳥春風

｢メリー・クリスマス。ミスター・ローレンス！」

 

24日のクリスマスイブと25日のクリスマスデイ、

どっちが本番なのか？

そこらへんのところがいくつになってもよくわかりません。

 

そんなもんだから今夜の晩飯はイブの夜だというのにカツ煮とお刺身とホウレン草のおひたし。

なんだったら納豆も添えちゃおうかなと思っています。

 

なんてどうでもいい話しはさておき、昨日は所沢の『やきとり春風』さんで、『アイム・オール・ライト』リハーサルでした。

  

居酒屋で働く北川今日子の元を訪ねる北川浩二。

店の外で仕事終わりの一服をする今日子。

 

昨日はリハーサルでしたのでカメラは回さず、

来月の本番へ向けて俳優さん達にいくつかのシーンの流れを説明しました。

しかしあれでしたよ。

昨日は店の外でのリハーサルを多めにやったんですけど、

店内でオーナーの半田さんが仕込んでいる煮大根の香りが換気扇を通して店の脇でリハーサルを繰り返す我々の元に漂ってきまして。私は危うく、

 

｢リハ、ヤメヤメ！酒酒！」

 

と叫び出しそうになりました。

というのはもちろん冗談ですけど。

『春風』さんの煮大根は本当にオススメなので、近くにお寄りの際は是非！

 

半田さん、ご協力ありがとうございました！

撮影は来月21日。

なので20日が2013年度版『アイム・オール・ライト』撮影イブってことですな。

今から楽しみです！