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何を隠そう、生まれて初めて自分のお金で買ったレコードはジャッキー・チェン監督『プロジェクトA』の主題歌のドーナツ盤でした。
「♪パー、ポイコテー」とガキの頃、よく歌ってましたよ。
どうでもいいけど、この曲、運動会に合いそうですね。
「選手入場」とかにピッタリ!
で、そのジャッキーの新作『ライジング・ドラゴン』ですが、クレジットがすごいことになってます。
監督・脚本・主演はもちろんのこと、プロデューサー、エグゼクティブプロデューサー、プロダクションマネージャー、撮影、美術、小道具、照明、音楽(自身、歌も歌ってるみたいです)
スタント振り付け、スタントのスタンドイン・・・?
まさに1人何役?ってぐらいの働きっぷり。
圧巻はクレジットの最後にある、
「ケータリング・コーディネーター」。
「え?!ジャッキーって、スタッフ・キャストのメシの面倒まで見てるの?」
ちょっと目頭が熱くなりました。
と同時に、
「こいつ完全に狂っとるな」
とも思いました。
が、しかし、映画史とはメリエスから始まる「狂気」の歴史でもあるわけで、その「狂気」は所謂ジャッキーが作るようなメジャー作品から、私が作っているインディペンデント映画、果ては学生の卒業制作から「i phoneで映画撮れんじゃね?」という素人まで、とにかく「映画を撮ろう!」と思い立った人皆が多かれ少なかれ共有することになる「狂気」でもあります。
「おまえ、これやれるか?やれるならやってみろ!言っとくけどな、俺のディレクターズチェアはな、空気椅子だぞ,空気椅子!
ところで空気椅子、知ってる?」
1人14役のジャッキー(御年58歳)の静かなるアジテーションに、私も、
「知っとるがなそんなもん、オッシャー!空気椅子持ってこーい!」
と訳もわからずテンションが上がるのでした。
(by ライオネル・リッチー)
居酒屋『清龍』に繰り出す時の俺と吉野さんのテーマ曲です。
「次どうすっぺか?」
「『清龍』にすっか?」
「『清龍』行くか!」
の三段活用の後、歩きながらこの歌を歌い始めます。
なんてどうでもいい話はさておき、小説家、東山彰良さんの『ライフ・ゴーズ・オン』の表紙写真を担当しました。
団地育ちの私としてはとても胸に沁みる小説でした。
そして時々声に出して笑ってしまうぐらい笑える小説でした。
「(ぼくは最初、アヴリル・ラヴィーンをアルカイダのメンバーだと思っていた)」
と言う一文が特にツボでした。
叙情性とは一切無縁の乾いた文章と乾いたユーモアの中に一瞬顔を出す瑞々しい瞬間。
癖になりそうです。
「昭和っぽい」と人からよく言われます。
「まあ、昭和生まれですからねえ」と返すようにしています。
前髪を7:3で分けてるからですかね?
まぶたが一重だからですかね?
全体的な印象がそこはかとなく貧相ってことなんでしょうかね?
話し変わって、今月初めに引っ越しました。
先日、新居から歩いて2分の床屋に髪の毛を切りに行きました。
店の前にはプランターや植木鉢が所狭しと置かれ、パッと見、
花屋なんだか床屋なんだかわからない佇まい。
扉を開けると古井由吉似のご主人が暇そうに座ってました。
「散髪お願いします」
店の中はおばあちゃん家の匂いと言うか、ガキの頃通った駄菓子屋の匂いと言うか、まあ言ってみれば「昭和っぽい」匂いがします。
椅子に座らされ首の周りをタオルで巻かれ、エプロンみたいな物で全身をくるまれます。
このエプロンもまた「昭和っぽい」匂いがしました。
正面の鏡の両隣には棚があって、一方の棚にはキティーちゃんの置き時計やよくわからないぬいぐるみが沢山置いてあって、これまた「昭和っぽい」。
もう一方の棚には『夜の歌謡曲』『今すぐ眼鏡を捨てなさい』『軟式テニス入門』『池上彰の知らないと恥をかく世界の大問題』などと一緒に『VHSビデオヘッドクリーナー』も置いてあって、やっぱり「昭和っぽい」。
「で、今日はどんな風に?」
と主人が聞きます。
「前髪は横に流せるように少し長めに、あとは短く刈って下さい」
と私も「昭和っぽい」注文をしましたよ。
主人は「ガッテンショウチノスケ!(←昭和)」といった感じですぐに散髪に取りかかりました。
ちなみに、髪を切る前に霧吹きみたいなもので髪の毛を濡らすのですが、その水もまた「昭和っぽい」匂いがしました。
散髪後は丁寧な顔剃り、肩もみ(主人「だいぶ凝ってますね」)電動マッサージ機を使った全身マッサージと、至れり尽せりな内容。しめて¥3500!
主人は最後に私の首の周りのタオルを勢いよく「シュッ!」と取り除きます。
それから三面鏡を手にすると私の後ろにそれをあてがいます。
主人「こんな感じになっております」
私「・・・・・はい。」
「こんな感じになっております」というよりも
「こんな感じになっちゃいました」
という仕上がりでしたが、「まあ、後ろも横も自分じゃ見えないからいいか!」と納得しました。
「昭和の男」ですから、細かいことは気にしません。
前髪の仕上がりは非常に気に入っています。
家から歩いて2分という所も気に入ってます。
髪がのびたらまた行こうっと!
今回は『リアル ぼくのおじさん』中野新哉さんの話です。
シンヤ叔父さん。
母方のオジです。
実は「シンヤ叔父さん」なんて今まで一度も呼んだ事はなくて、
必ず「新ちゃん、新ちゃん」と呼んでいました。
今も「新ちゃん、新ちゃん」と呼んでます。
「新ちゃん」は私が物心ついた頃からギタリストでした。
私がガキの頃、三鷹にあった祖父母の家の2階が新ちゃんの部屋でした。
その2階の部屋に新ちゃん不在の時を見計らって侵入するのがとても楽しかったです。
ヤニ臭い部屋の中にはギターやなんやかんやが転がり、散らかしっぱなし。
壁には裸の女のポスター、戸棚からは山と積まれた『スコラ』が溢れ出ています。
その『スコラ』を見るのが私の不法侵入の最大の目的でした。
むさぼるように『スコラ』を見ました。
『スコラ』を知らない人はネットで調べて下さいね。
私が物心ついた時からギターを弾いていたシンヤ叔父さんは今も変わらずギターを弾いています。
今月の『最後の風景』は中野新哉さんに音楽を頼みました。
初めての共同作業です。
是非ご覧下さい。