「昭和っぽい」と人からよく言われます。
「まあ、昭和生まれですからねえ」と返すようにしています。
前髪を7:3で分けてるからですかね?
まぶたが一重だからですかね?
全体的な印象がそこはかとなく貧相ってことなんでしょうかね?
話し変わって、今月初めに引っ越しました。
先日、新居から歩いて2分の床屋に髪の毛を切りに行きました。
店の前にはプランターや植木鉢が所狭しと置かれ、パッと見、
花屋なんだか床屋なんだかわからない佇まい。
扉を開けると古井由吉似のご主人が暇そうに座ってました。
「散髪お願いします」
店の中はおばあちゃん家の匂いと言うか、ガキの頃通った駄菓子屋の匂いと言うか、まあ言ってみれば「昭和っぽい」匂いがします。
椅子に座らされ首の周りをタオルで巻かれ、エプロンみたいな物で全身をくるまれます。
このエプロンもまた「昭和っぽい」匂いがしました。
正面の鏡の両隣には棚があって、一方の棚にはキティーちゃんの置き時計やよくわからないぬいぐるみが沢山置いてあって、これまた「昭和っぽい」。
もう一方の棚には『夜の歌謡曲』『今すぐ眼鏡を捨てなさい』『軟式テニス入門』『池上彰の知らないと恥をかく世界の大問題』などと一緒に『VHSビデオヘッドクリーナー』も置いてあって、やっぱり「昭和っぽい」。
「で、今日はどんな風に?」
と主人が聞きます。
「前髪は横に流せるように少し長めに、あとは短く刈って下さい」
と私も「昭和っぽい」注文をしましたよ。
主人は「ガッテンショウチノスケ!(←昭和)」といった感じですぐに散髪に取りかかりました。
ちなみに、髪を切る前に霧吹きみたいなもので髪の毛を濡らすのですが、その水もまた「昭和っぽい」匂いがしました。
散髪後は丁寧な顔剃り、肩もみ(主人「だいぶ凝ってますね」)電動マッサージ機を使った全身マッサージと、至れり尽せりな内容。しめて¥3500!
主人は最後に私の首の周りのタオルを勢いよく「シュッ!」と取り除きます。
それから三面鏡を手にすると私の後ろにそれをあてがいます。
主人「こんな感じになっております」
私「・・・・・はい。」
「こんな感じになっております」というよりも
「こんな感じになっちゃいました」
という仕上がりでしたが、「まあ、後ろも横も自分じゃ見えないからいいか!」と納得しました。
「昭和の男」ですから、細かいことは気にしません。
前髪の仕上がりは非常に気に入っています。
家から歩いて2分という所も気に入ってます。
髪がのびたらまた行こうっと!