あまりにも、その作品中に移動撮影を多用するものだから
周りのスタッフから、
「移動大好き=イドウダイスキ」
と揶揄されたのは、かの伊藤大輔(イトウダイスケ)監督ですが、実を言うと私も移動撮影、大好きです。
特に、あの、役者をフレームの一定の位置に押さえつつ、背景だけが次々にフレームの右から左(もしくは左から右)へと移ろい行く単純きわまりない移動撮影が大好きです。
これまでは、尊敬する撮影監督ロビー・ミュラーに倣って、その移動撮影のほとんどを車を使って撮影してきましたが、先日、何故か急に居ても立ってもいられなくなり、移動撮影用のタイヤドリーを自作しました。
近所のDIYに行って、プラットフォーム用のコンパネや、タイヤ、衝撃緩衝用のウレタンやボルトやナットなどを購入し、設計図通りにタイヤドリーを作り上げた時には、それこそ「糞を蒔いて、トウモロコシを育てた農夫」のように実に爽やかに満ち足りた気分になりました。
パッと見は、ただの台車なんですけどね。
考えてみると、映画の中での移動撮影という表現形式は、どれこもれも電車の座席にキッチリ膝を揃えて窓の外を見る、あのチビ助達と同じ、幼児的欲望に根ざしているものと思われます。
それでも大好き。イドウダイスキ!