先日は友人の小説家、桜井鈴茂さん宅をお借りして、映画『アイム・オール・ライト』撮影でした。
14時に桜井さん宅に到着、すぐに機材搬入。
15時過ぎに女優の西辻こずえさん、俳優の杉浦大介さんと渡邊衛さんが合流、リハーサルが始まりました。
今回星野組初参加の渡邊衛さん。
渡邊さんとは数年前に渡邊さんの宣材写真を撮影したことがきっかけでお知り合いになりました。
共演者の杉浦大介さんとはこの日が初顔合わせだったため、リハーサル時間にかなり余裕を持ったスケジュールでしたが、2、3回のリハーサルですぐにメドが立ちました。
こういった短いシーンの出演では演技に力みが出そうなもんですが、渡邊さんは実にさらりと演じてくれました。
このシーンは日没を待ってのシーンになるため、自然光の影響しない次の室内シーンの撮影準備に入ります。
西辻こずえさんと杉浦大介さん。
二人は姉弟の役です。
この長い『アイム・オール・ライト』撮影期間中お二人が会うのは確か今回で2度目だと思うのですが、以前より姉弟の絆が深まっていたように見えました。
不思議です。
杉浦さんはリハーサル時、そこに偶然あった小道具を利用してアドリブ的に演じてくれました。
とても自然なアクションだったため「それいいね!」とすぐに取り入れたのですが、今思うと、私が気づかなかっただけで、杉浦さんがあらかじめそこにその小道具を用意していたような気もします。とにかく脚本のト書きには書いていない素晴らしいアイデアでした。
一方、姉役の西辻さんにとって、この撮影は「中抜き撮影」であったにもかかわらず、感情の繋がった、それでいて抑制のきいた演技をしてくれました。
室内シーンを撮り終えたところで俳優の高川さんが合流。
次のシーンは日没待ちのため、しばし皆で歓談。
日没を待って杉浦さんと渡邊さんシーンの撮影。
些細なアクションの訂正のみで、スムーズに撮影終了。
渡邊さんは実に飲み込みの早い俳優さんで、現場に勢いを与えてくれました。
すぐに高川さんと西辻さんの外ロケ準備に移ります。
川崎市内某所にて西辻さんと高川さんのナイトシーン。
数回のカメラリハーサルと3テイクで撮影終了!
と、同時に西辻こずえさんオールアップ!
「長い間ありがとうございました!」
高川さん、宗田君、私と握手を交わします。
西辻さんとは『アイム・オール・ライト』が初めての共同作業でした。
1、2回目の撮影の時には「小柳こずえ」さん、3回目の撮影から本名の「西辻こずえ」さんに名前を変えられました。
現場では「こずえちゃん」、私が調子に乗った時だけ「こずこず」と呼んでいました。
西辻さんは撮影前にフォーカスを合わせるのがとても楽しみな女優さんでした。
撮影に入る直前、役に入った女優の顔をファインダーから盗み見できるのは、監督の特権ですね。
これにて西辻さんとの撮影が終わるのはやっぱり寂しいです。
車で桜井さん宅に戻り、桜井さん宅共用部にて高川さんの撮影に移ります。
その前に・・・。
オールアップの西辻こずえさんに花束贈呈!
本当に長い間ありがとうございました!
同じくこの日オールアップの杉浦大介さんと記念撮影。
杉浦さん、花束はないけどありがとうございました!
オールアップ祝いの後はこの日最後の撮影、桜井さん宅共用部で高川さんの撮影。
アクションの流れを軽く説明してすぐにカメラリハーサル。
ワンシーンワンカットの何でもないシーンですが、高川さんのちょっとした提案(というか、カメラが回ったら勝手にやった)がこのシーンにふくらみを与えてくれました。
ほぼワンテイクでオッケーだったのですが、もう少し見ていたいためさらに数テイク重ねました。
高川さんはどんな何でもないシーンの撮影でも撮影していて楽しい俳優さんです。
だから主演をラブコールしたワケですが。
撮影終了後は駅前の居酒屋で打ち上げ。
途中桜井さん、奥さんの、のぶ子さんも合流。
地元民で大盛り上がりの居酒屋は向かいの人の会話が聞こえないほどの大盛況でした。
最後は何故か「桜井&星野」の連名で焼酎のボトルキープとなりました。
居酒屋前で皆とお別れ。私と私に強引に引き止められた宗田君は桜井さん夫妻と桜井さん宅へ。
途中「そういえばうち、ウィスキーないよ?」と言う桜井さんに「あたしが買ったるわ」とのぶ子さんがコンビニで「余市」を買ってくれました。
桜井さん宅にて4人で深酒。
最高の夜でした。
宗田君はリビングに、私は桜井さんの書斎に桜井さんが敷いてくれた布団で横になりました。
たくさんの書物が並んだ桜井さんの書斎は夢のような空間でしたが、適当に手を伸ばした本の2、3行を読む間もなく、眠りへと落ちました。
朝目が覚めるとのぶ子さんが既に朝食の準備をしてくれていました。
のぶ子さんの「どんなに酔っぱらっていてもその夜のうちに出汁をとる」というお味噌汁と焼き鮭、おひたし「しかし、ごはんは何合炊いたかは覚えていない・・・」という炊きたてのご飯を頂きました。
お味噌汁、焼き鮭、おひたしに炊きたてのご飯!まさに「チャンピオンの朝食」です。
撮影現場として自宅を貸し出してくれただけでなく、泊めてまで頂き、さらには朝食までごちそうして頂き、私はお二人のご好意と白米を一緒に噛み締めました。
のぶ子さん、桜井さん、本当に有り難うございました!
『アイム・オール・ライト』。残りの撮影はあと2割ほどとなりました(高川さんの試算では4割)。
なにはともあれ年内のクランクアップを目指して一歩一歩進んで行きます(「10月には終えたいですね」とは宗田君の弁)。