明日も朝は早いのにまだ寝たくない。
もう眠くてしょうがないんだけど、まだまだ寝たくない。
ウィスキー飲みながら煙草を吸って、
ウィスキーがなくなったら新しいのをついで、
タバコがなくなったら新しいのに火をつけて、
夜はまだまだこれからだ。
男子37にもなればあれこれ考えなければならない事は山ほどある。
ウィスキーがなくなったから新しいのをついで、
ついでに氷も新しくして、
タバコもきれたから、新しいのを巻いて。
そうやって気がついたらもう2時だ。
ようやっと布団の中に入る。
で、その間考えていた事は、次の日には跡形もなく消え去っている。
次の日、目が覚めて「あの10時から2時までの4時間はいったいなんだったんだ?」
と愕然とする。
思い返すに、布団に入るきっかけは、タバコと酒が同時に切れたからだった。
ウィスキーの消費具合と、タバコの消費具合がぴったり合った時に、やっと布団に入る。
これはかなりハードボイルドな状況だ。
北方謙三の三倍くらいハードボイルドだ。
それはそれとして、
どんなに遅くとも午前2時にはグラスのウィスキーと、
吸っているタバコが同時になくなる瞬間が必ず訪れるのは我ながらびっくりで、
やっぱりこれからは俺の事を「ハードボイルド星野」と呼んでもらいたい。