ずっと気になっていた近所のバーに先日行ってきました。
入口に一番近い一番端のカウンターに座って、一番安いジェイムソン(¥700)を頼みました。
グラスが運ばれてきてすぐ、
「お!少なっ!」
と思いました。
お通しとしてなのか、小皿にカッパエビセンが運ばれてきました。
「お!カッパエビセン!・・・しかもカレー味!」
同じカウンターには若いのが男女2人、カクテル談義をしてました。
カウンターの1番奥には男(俺より若い)が一人、15cmぐらいの葉巻を吸ってました。
「うちの店は初めてですか?」
中村獅童似の可愛いバーテンダーが話しかけてきます。
「ええ。最近引っ越してきたもんで」
バーテンダーは地方からこっちに出てきて5年目ということでした。
「どうですか?東京は?」
と聞くと
「東京といってもここですとねえ・・・正直まだよく分かりません。渋谷とかどうなんですかね?」
「渋谷?」
「渋谷のバーとかどうなんですかね?」
「渋谷のバー・・・」
「この間渋谷の**ってバーに行ったんですけど。さすがでしたね」
「ああ、そうでしたか。でも出す酒は一緒でしょ?」
「ええ、まあ」
・・・・・。
「ここ、テレビも見れるんですね?」
引っ越した家のテレビが繋がってないので、サッカーとか、ボクシングなんかをここで見れるかも、と思って聞きました。
「ええ。この間も、日本代表の、ブルガリア戦でしたっけ?ここでやってましたよ。お客さんとみんなで一緒に観て」
「ああそうなんだ・・・」
(じゃあ、今度ワールドカップの最終予選、オーストラリア戦、見に来ようかな)
なんて思っていると、
「・・・すみません」
「はい?」
「すみません。いま自分かっこつけました。あの日、客いませんでした。一人でずっとサッカー見てました。アハハ・・・」
「あ、そう!・・・アハハハ・・・」
・・・・・。
話が途切れがちになるのはですね、カウンターの上によくわからない植木鉢が置いてあって、それを挟んでバーテンと話さなきゃならないからなんです。バーテンも私もお互いの顔を見るためにいちいちその植木鉢の右とか左から顔を出さなきゃならないんです。
ヒョイ、ヒョイッと。それって何か馬鹿みたいじゃないですか?
気がついたらお通しのカッパエビセンもなくなっていて、
「あ、この人、カッパエビセン好きなんだ!」なんてバーテンダーが勘違いして2皿目を持ってきたらもう1杯ジェイムソン頼む羽目になるじゃないですか?
「やべー、やべー」と最後の一口をすすって会計を済まそうとしたところ、
「じゃ、おれ、その『お手軽モヒート』貰おうかな」
(正確には『お手製モヒート』)
とカウンター奥の葉巻男が言いました。
「はい!モヒート」
「それ、ラフロイグで割って」
「ラフロイグ?・・・まじっすか?」
「いいからいいから、ラフロイグで割って」
モヒートはラムとミントと炭酸水のカクテルです。
やっすい飲み物です。やっすくて、その安っぽさが魅力のカクテルです。
そのやっすいカクテルのベースのラムを「ラフロイグにしろ」とそのヌケ作は言うのです。
怒髪天マーク(ナイキのマークが上下左右4つ並んだヤツ)が一瞬私の頭に100個ぐらい浮かびましたが
「てめえの金で飲むんだから、どう飲んだってそいつの勝手だわ」
と思い直して会計を済ませ店を出ました。
お会計¥1100でした。¥700のジェイムソンにカッパエビセンで¥1100。?????
で、例の「お手軽モヒート」。
ベースのラムをシングルモルトの『ラフロイグ』に変えて炭酸水とミントで飲むというレシピですね。
これ、よくよく考えたら超高級なハイボールのミント添えじゃないですか?
「結構美味そうだな」なんて後日思い直しました。
まあ、やりませんけど。
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